生まれたときのナクシャトラで運気の流れが決まる
インド占星術では、太陽よりも月を重んじます。
西洋占星術で太陽は人生の軸を示す吉星とされますが、インド占星術における太陽は強すぎる力を持つため「弱い凶星」とされるのが特徴。
これは暑い国インドならではの太陽観の違いかもしれません。
一方で、インドで月が大切にされるのは、今もヒンディー暦にナクシャトラ(月宿)の名残があることからもわかります。
ナクシャトラとは何か
ナクシャトラは、前世からのカルマ、生まれ持った性質、結婚の宿命までも表す重要な要素です。
360度の天空を12等分すると12星座になりますが、27等分したものがナクシャトラ。
9つの惑星がそれぞれ3つずつのナクシャトラを担当することで、27種類が成り立っています。
たとえば牡羊座0度〜13度20分はケートゥが支配星。
そこに月がある人は、人生のスタートのダシャー(運気の時期)がケートゥ期から始まります。
月がどのナクシャトラにあるかで、その人の運気の流れが決まるため、人によっては人生の真ん中に試練の土星期が来たり、華やかな金星期を全く経験しないこともあります。
支配星による違い
支配星がどの惑星かによっても性質は変わります。
・ケートゥ支配:スピリチュアルや目に見えない世界に縁がある
・ラーフ支配:アップダウンの激しい人生になりやすい
こうした特徴は、その人の「心のクセ」ともいえる部分に影響を与えていきます。
月はその人の心を表す
月は約2日半で隣の星座に移動します。
そのため出生時間が多少曖昧でも割り出しやすく、インド占星術では「心」を象徴する重要な惑星とされます。
たとえば月が「6・8・12ハウス(ドゥシュタナハウス)」にある場合――
・8ハウス:外から見れば恵まれていても本人は幸福感を感じにくい
・12ハウス:心ここに在らずで、人付き合いが苦手になりやすい
さらに太陽と月の角度(新月・満月・上弦・下弦)も影響します。
満月生まれは裏表がなく無邪気。
新月生まれは本心をなかなか見せない…といった傾向があるのです。
満月と新月のナクシャトラ
先日のブログでも触れましたが、月の満ち欠けとナクシャトラは深く結びついています。
9/8の月蝕・水瓶座の満月は「プールヴァ・バードラ・パーダ」(支配星:木星)に位置。
広がりや精神性をテーマに持つ満月でした。
9/22の日蝕・乙女座の新月は「ウッタラ・パールグニー」(支配星:太陽)で、パートナーシップや契約の始まりを象徴します。
また、蝕に当たったナクシャトラは半年間、結婚や開業などの慶事には使わないほうがよいと古来より伝えられています。
大切な節目を迎える際には、このタイミングを避けることで安心して流れに乗ることができるのです。
このように、ナクシャトラを知ることで「月の満ち欠けが自分にどう作用するのか」がより立体的に見えてくるのです。
運気の流れに乗るために
ナクシャトラは、あなたの心の性質だけでなく、人生の流れやご縁のタイミングまでも映し出します。
生まれたときに月がどのナクシャトラにあったか――
それを知ることは、自分自身の理解を深め、これからの運気の波にうまく乗るための大きなヒントとなるでしょう。